2016年 謝楽祭 〜黒門亭クイズ王への道〜

2016年9月4日 日曜日。

今年もこの日がやってきた。

落語協会ファン感謝デー、「謝楽祭」である。





落語協会に所属する落語家をはじめとする漫才師や色物の先生方が出店し、寄席をやり、ステージで歌う。

イベント盛りだくさん、年に一度のお祭り。

演芸ファンにはたまらない、夢のような一日である。


そんな謝楽祭の数あるイベントの一つに「黒門亭クイズ王」があった。

参加費は100円。

落語問題の筆記試験で合格すると15:00からの本選に出場できる。

優勝者には黒門亭(落語会)を好きな場所で開催できる「席亭権」が与えられる。


落語を聴き始めて一年と少々の僕は、どんな問題が出るのだろうと興味本位で参加することにした。

筆記試験は、案外簡単だった。

都内の寄席定席の正式名称だったり、落語ネタの穴埋め問題だったり。

100点満点中96点。

余裕の予選通過を果たしたが、周りで解答していた方々、見る限りでは全員予選通過している様子だった。


勝負は本選。


定刻が近づき、特設会場裏に決勝進出者が集う。

「俺は落語を聴いて40年だぜ」と言わんばかりの猛者どもがうじゃうじゃいる。


時間になり、ぞろぞろと舞台に上がる。

僕は後ろの方だったので、この人数が舞台に上りきれるのか? と心配になったが、なんとか上がれた。

狭い特設ステージに所狭しと上がった決勝進出者たち。

50人ほどだろうか。

「あ、今日は割とすいてて余裕あるな」と感じる通勤電車ぐらいの人口密度。


いよいよ、 決勝の◯×クイズが始まる。

司会者が読み上げる問題に耳を傾ける。



「第1問。

 落語協会会長、柳亭市馬師匠にまつわる問題です。

  市馬師匠の・・・








通っている床屋の値段は、

2600円である。



◯か、×か!













この第1問を聞いた決勝進出者、

いや、見物人も含め、会場にいた全員の心の声……













(知らねえよっ!!!!!!)








◯なら舞台上手へ。×なら下手へ。


混み合っている都合上、あまり人の動きはない。

そりゃそうだ、答えがわからないなら運に身をまかせるしかない。

おそらくこの問題、正解を知っているのは、市馬師匠本人と、司会者と、床屋のオヤジ。

世界に3人だけだ。


僕も今立っている位置が◯側だったので、そのまま動かずにいた。




「正解は・・・ ◯」


第1問は見事正解した。


この後出題された問題は以下の通りである。


「市馬師匠の靴のサイズは27僂任△襦◯か×か!」


「市馬師匠の本名は、”うどう やすゆき” である。◯か×か!」


「彦いち師匠の飼っている亀の名前は、”あたぼう” である。◯か×か!」





もう「知らねえよ!」の連発。


しかし、これが僕にとって幸運だった。

なぜならば、中途半端に落語の知識が必要な問題であれば、百戦錬磨の落語ファンにかなうわけがない。

こちとらまだ落語を聴き始めたばかり、よちよち歩きのヒヨッ子なのだ。


誰もわからない問題ならば勝負は運のみ。

あれよあれよと正解し、最後の二人に残ってしまった。


最後の問題。


「彦いち師匠の飼っている亀の名前は、”あたぼう” である。◯か×か!」


「知らねえよ!」と叫びたい気持ちをぐっとこらえる。

相手のおっちゃんも当然わからないようだ。

僕は×側に立っていた。

おっちゃんが「どっちにする? 俺は反対に行くよ」と話しかけてきた。

なんとも気前のいいおっちゃんである。

選択権は僕に与えられた。

こういう時は動くとかえって失敗する、と経験則的に思ったものの、


「じゃあ、僕は◯に行きます」


とあえて立ち位置を入れ替わった。

これが吉と出るか、凶と出るか。



正解は・・・

























なんとなんと、見事優勝してしまった。


舞台上で柳家小ゑん師匠から優勝者インタビューを受ける。


「おめでとう。名前は?」

「マッシュです」

「マッシュ? 日本人?笑」

「日本人です」


「好きな噺家は誰?」


この質問に少し考えてしまった。

頭によぎったのは、昔昔亭A太郎さんの名前だった。

しかし、A太郎さんは、今は体調不良で休業中。

しかも今日は落語協会のお祭りである。

A太郎さんは落語芸術協会で、しかも二つ目の噺家だ。


喉元まで出た名前を飲み込んで答えた。



「小ゑん師匠です」

「このぉ、おべっか野郎!笑」


和気あいあいとした空気になり、その場を切り抜け、お開きになった決勝の舞台から降りる。


席亭権のことについては後日連絡するから、連絡先と名前を書いてくれ、と言われた。

また、こうも言っていた。


「落語会を開くのが難しいなら、代わりに落語グッズをお渡しするってことでもいいよ。

去年、優勝した人はそうしてたから」


わかりました、考えておきます、と答えてその場を後にする。


落語会を開く、席亭とはどんな気分なのだろうか。

落語グッズでもいいかなと思ったが、一緒に参加した知人たちが許してくれそうにない。


果たして本当に開催されるのか、一体誰が出るのか、どこでやるのか「マッシュ寄席」。

もし開催される暁には、ぜひともお集まりいただきたいものです。


来年は黒門亭クイズ王のディフェンディング・チャンピオンとして、また謝楽祭に参加することだろう。

一年後の防衛戦に向けて、今日もまた、寄席に足を運ぶのである。










0

    スポンサーサイト

    0
      • 2017.07.18 Tuesday
      • -
      • 23:18
      • -
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      コメント
      優勝おめでとうございます。「マッシュ寄席」私は京都在住で、寄せて頂くにはちと遠いですが、実現をお祈りします
      「寄席 なんてよせぇ」なーんてことは申しません (^_^;)
      • とり
      • 2016/09/08 6:52 AM
      とりさん、京都在住なのですね。
      寄席はよしといて、落語グッズをもらう手もありますが。。。

      なるべくマッシュ寄席開催をめざします!
      • マッシュ
      • 2016/09/09 8:56 AM
      コメントする








         
      この記事のトラックバックURL
      トラックバック

      calendar

      S M T W T F S
            1
      2345678
      9101112131415
      16171819202122
      23242526272829
      3031     
      << July 2017 >>

      ついったー

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      • 我がブログ、9年間のベスト5を発表
        マッシュ
      • 我がブログ、9年間のベスト5を発表
        とり
      • 2016年 有馬記念 予想
        マッシュ
      • 2016年 有馬記念 予想
        とり
      • マッシュ寄席伝 〜マッシュの入場〜
        マッシュ
      • マッシュ寄席伝 〜マッシュの入場〜
        たけへ
      • 忘れ得ぬ人々 vol.1
        マッシュ
      • 忘れ得ぬ人々 vol.1
        とり
      • 2016年 謝楽祭 〜黒門亭クイズ王への道〜
        マッシュ
      • 2016年 謝楽祭 〜黒門亭クイズ王への道〜
        とり

      recent trackback

      recommend

      links

      profile

      search this site.

      sponsored links

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM