定刻から2分が過ぎた。
場内の証明が落ち、歌謡曲調のメロディが流れ出す。
スポットライトを浴びながら、二人が別々の場所、客席から姿を現した。
この日のために用意された清水ミチコ作詞作曲のデュエットソング「渋谷のふたり」。
マイクを片手に、手を振り、観客と握手をし、花を振りまきながら、ステージに登った。
「おれ、森進一の気持ちが分かった気がする」
みうらじゅんがしみじみと言った。
確かに、まるで大物歌手のディナーショーのような入場。
「いや、ああいうのとは全然違うと思うよ」
清水ミチコがかぶせ気味にツッコんだ。
そうだ、ディナーショーの入場で、これほど爆笑の渦になるわけがない。
こうして始まった「みうらじゅんと清水ミチコ 二人のビッグショー」、4月10日火曜日、場所は渋谷公会堂。
二人のトークを皮切りに、前半はみうらじゅんのおもしろスライドショー、後半は清水ミチコのものまねオンパレード。
約二時間、お笑い好きの僕は、ずっと目をキラキラ輝かせながら、大いに笑った。
特に印象に残ったシーンは、清水ミチコが退場する場面。
椎名林檎、YUKI、宇多田ヒカルなどの「歌姫ものまねメドレー」を終え、舞台袖にはけたかと思うとすぐさま再登場し、一言。
「アンコールどうもありがとう!」
いや誰もしてねーし!(笑)
清水ミチコのピアノ演奏とものまねは素晴らしく、拍手喝采が巻き起こっていただけに、もう少し登場を遅らせれば、当然アンコールがかかっていただろう。
しかし、あえてアンコールをさせる間を作らず、笑いに走る辺り、さすがと言わざるを得ない。
みうらじゅんが清水ミチコのことを「狂女(きょうじょ)」と呼んでいたのもうなずける。
笑いあり、ピアノあり、ものまねあり、トークあり、スライドショーあり、おみやげありの楽しい楽しいビッグショー。
ただ、あえてケチをつけるとすれば、おみやげである。
チケットに「ご入場者全員に特製オリジナルみやげプレゼント」と記載されており、何がもらえるのだろうか、と楽しみにしていた。
入場の際、チケットと引き換えに手渡されたおみやげがこちら。
でかっ。
A3サイズの封筒。
座席に着き、封を切って中をのぞくと、出てきたのがこれ。
3Dホログラムの絵が一枚。
「何だこれ?!」
初見では思わず噴いてしまったが、冷静に考えてみると、これ……
い、いらない。
いらない上にこのサイズだとカバンに入らず、どデカイ封筒を小脇に抱えて電車を乗り継いで帰るはめに。恥ずかしい。何この羞恥プレイ。
まるで二人に
「家に帰るまでがビッグショーですよ」と言われているかのような帰り道だった。